モローは、聖書や神話などの伝統的な題材をとりつつも、当時主流だったアカデミックな描法にとどまりませんでした。 モローは「私は眼に見えるものも手に触れるものも信じない。眼に見えないもの、ただ感じ得るものだけを信じる」という言葉をのこしています。
この言葉に示されるように、彼の作品に登場する人物像は、聖書や神話の意味あいを超えた、普遍的な強いイメージをもっています。
この「雅歌」は、ソロモン王と乙女との愛をうたった、旧約聖書の「雅歌」を題材にしています。きらびやかな衣装をまとった女性が、前方へ視線を向けたたずんでいます。
(出典 大原美術館ホームページ)
|