主題は、新約聖書の「マタイ伝」、「ルカ伝」などの一節からとられている。ユダの裏切りを知ったキリストは最後の晩餐のあとに、橄欖山の麓のゲッセマネでペテロ、ヤコブ、ヨハネの三人を伴い、苦悩のうちに神に祈りを捧げ、天使によって力づけられるが、弟子の三人は眠り込んでいる。
三角形構図の頂点に祈るキリスト、下辺に寝入っている三人の使徒(左からペテロ、ヨハネ、ヤコブ)をそれぞれ配し、マニエリスムに特有の変化に豊んだ姿形を与え、構図に流動性と張りをもたせている。画面左上には、キリストを捕えるためにユダに導かれてやって来た群衆が描かれており、この主題の伝統的図像に従っている。 (出典 国立西洋美術館ホームページ)
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