1876年の夏、マネは印象派の画家たちの庇護者であった実業家エルネスト・オシュデの招きによりパリの東、セーヌ=エ=オワーズ県にある小村モンジュロンを訪れた。
画中、オシュデ家の庭園の草花の中に埋もれて描かれているのは、オシュデの6人の子供のうちの一人長男ジャックである。その傍らには、マネの作品に時おり登場する装飾鉢が置かれている。この頃のマネは黒の多用と平塗りの手法を基調にした1860年代の作風を捨て、印象派、ことにモネの影響の下に、明るい色彩と生動感の溢れる筆触の効果を用いて、戸外の光の下での「現代生活」という主題を追求していたが、この作品には、技法、主題の上で、そのようなマネの1870年代の作品がもつ諸特徴を認めることができよう。
(出典 国立西洋美術館ホームページ)
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