1878年の冬、モネはアルジャントゥイユから、更にセーヌを下った寒村、ヴェトゥイユへ居を移した。この地で過ごした4年間は、妻カミーユを失い(1879年)、破産した友人のエルンスト・オシュデ一家を養わねばならず、モネにとって最も苦しい日々であったと想像される。
しかしながら、80年代に入るとともに、この作品にみられるように画面は次第に明るい雰囲気をとり戻し始める。画面に置かれた筆触はより自由で大胆になり、色彩も画面の中で自律的な個性を帯びてくる。この作品に描かれているのは、ヴェトゥイユから僅かにセーヌ河を下った所にあるラ・ロシュ=ギュイヨンという小さな村である。
(出典 国立西洋美術館ホームページ)
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