1871年、シスレーはパリの西方約30キロの地にある小村ルーヴシエンヌに移り住み、同年暮までルーヴシエンヌで過ごした。この間も、ここを拠点としながらモネやルノワールと共にアルジャントゥーユでセーヌ河の風景を描いたり、マルリーの森に出掛けて制作するなど、彼の足跡はイル=ド=フランスの各地に及んでいるが、1873年にはほとんどルーヴシエンヌにいて、この村落や周辺の風景の制作に没頭している。本作品はその1873年にこの小村付近の風景を描いたものである。起伏のある野に1本の小径が斜めに走り、その小径を辿る添景の二人の人物を通じて、見る者の視線は奥へいざなわれる。
(出典 国立西洋美術館ホームページ)
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