不思議な絵である。手前は道路のようで、建物の入り口のようなスペースに人物の群れが置かれている。人物たちの全体の雰囲気に、物憂げな感じはあるものの、ほかに統一された「何か」は感じられない。光りが当たっている部分を見ていると、陰の部分の人物たちは見えなくなり、影の部分に目を凝らすと、光りの当たっている部分が見えなくなる。そんな絵なのだ。
作品につけられた名前「ラ・シエスタ」というのは、スペイン語で昼寝(午睡)のことだという。昼寝から覚めたところ、とでもいうのだろうか。光りが当たっている中心の幼児の姿には、確かにそれを思わせるものがあるが、どうもそれだけとも思えない。
(出典 関心空間ホームページ)
|