アンリ・ル・シダネル(1862-1939)は、インド洋モーリシャス島生まれのフランスの画家です。 パリに出て修行したのち、1887年から定期的にサロンに出品するようになりました。スーラに代表されるような新印象派風の点描で、風景や室内、静物を多く描きました。
原色を避けた、落ちついた色調を多く用い、その作品は独特の哀愁に満ちた静けさをたたえています。
この「夕暮の小卓」は、運河に面した町の夕暮の一情景を描いた作品で、ル・シダネルが非常に感銘を受けたベルギーの古都ブルージュを連想させる風景です。 画面前方の食器が残されたテーブル、後方の明かりのともった窓が、暗喩的な情緒をかもし出しています。
(出典 大原美術館ホームページ)
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